FXの損切りルールは何pips?【損切りしないというのもあり】

損切りについてアイキャッチ 知識・ルール

先日私はこのようにツイートしました。

損切りが必要とトレード教科書に書いてあり律儀に守っている人。
そのまま鵜呑みにすると損切り貧乏に。
でも損切りを外したら今度はドカンと負ける。
解決策は最初に自分で決めたルールを守ること。
スキャルで損切りいれると決めたのに含み損膨らんだからとルールを途中で変更するのはNG。

トレードを始めたばかりなので損切りルールを知りたい。

損切りは入れるけど損切貧乏になっている。

なぜ自分が損切がうまくいかないのか知りたいと考えていませんか?

この記事を書いている私は投資歴10年以上、トレードもツイッターで公開。

最近ようやく月単位で勝てるようになってきて、損切りについて深く悩んでいるトレーダーで、皆さんと同じ目線でお話できるのではと思っています。

本記事では下記の内容を解説します。

損切ルールの目安とは。トレードスタイル別に回答

損切ルールの目安はトレードスタイルによって異なります。

理由は、利益と損失の狙う割合が違うからです。

下記では具体的にトレードスタイル別に損切り幅のルールを解説します。

とその前に、一概には損切り幅を言えないということをお伝えします。

それは値動きの幅が違うためです。どういうことかというと、ドル円の1日あたりの値動き幅は約40pips、動きのある通貨としてポン円だと約120pipsとなっています。

この値幅は統計を取る期間によってかなり違ってきますが、ドル円とポン円の変動幅はおおよそ
2倍~3倍違います。

なので、同じ手法でも取り扱う通貨によっても損切り幅は変えなくてはいけません。

このことはあまり書かれていないのですが、初心者の方はしっかり覚えておくべきです。

スキャルピングの損切り目安

利益も数pipsと少ないので損切幅もドル円では5pips、ポン円でも10pips幅もあれば十分です。

これ以上、幅を広げすぎると利益の幅と損失の幅に大きな差が開き高勝率でもトータルで負けていくので、このくらいの損切り幅がいいでしょう。

スキャルピングとは:数秒から数十秒でポジションを決済し、小さな利益を積み上げていくスタイルなので取引画面の前に一定期間いられる人に適するスタイル。

デイトレードの損切り目安

利益は数10pipsから100pips程度なので、損切り幅は50pips以下。

ポン円ならもう少し幅を持たせてもOKです。

デイトレードとは:スキャルピングより少し大きな値幅を目標として取引するのがデイトレードです。だいたい24時間以内でのトレードとなることが多い。そのためサラリーマンなど、出勤途中にアプリで注文を入れ昼休みに動きを確認し、 帰宅後に決済など、万人向きのスタイル。

スイングトレードの損切り目安

エントリー時に利益、損切りの注文も同時に出しておけば、あとはチャートを見なくてもよく
忙しい方にはおすすめのトレード方法です。

保有期間が長いため利益は100pips以上とれることも。

その分損切幅は数百pipsの幅を持たせないと、すぐに損切にかかってしまい利益の確保が難しくなります。

スイングトレードとは:デイトレードよりさらに長い時間を保有し時には数週間ということもあります。

トレードスタイル別に損切幅のポイントをまとめます。

  • 通貨によって動く値幅が違うため損切り幅は一律ではない
  • トレードスタイルによって損切り幅が違う

FXにおける損切りの重要性

FXではもちろん損切りが重要とされています。

損切りしないとコツコツドカンと言われ一回の負けで大損になり退場するからです。

では損切りしないトレードをした場合と損切りするトレードを比較してみます。

損切りしないトレード方法

損切りしないということは含み損にはなりますが「負け」ということはなくなります。

相場はトレンドが発生しても一方向に動くのではなく上下にジグザグと動くためあるときになれば値が戻ってきて、含み損から利益と変えることができます。

しかしこれはあくまで想定内のレンジに収まった場合です。

想定外の値動きをした場合、○○ショックなど10年に一度起こるか起こらないかのくらいのバグともいえる状況になると、含み損が増え、新たにポジションを取ることができなくなりさらに損失が膨らむと強制ロスカットになり、1度の負けで退場・・なんてことになりかねません。

そうならないために損切りすることを多くの人は推奨しています。

損切りするトレード方法

例えばドル円のデイトレードで利益が20pips見込めるトレードの場合、損切幅は10pipsとします。

仮に勝率が50%の手法だったとした場合、1度勝てば10pipsの利益が残ります。

勝率が50%なので1トレードの期待値は半分の5pipsの勝ちとなります。

勝率が50%だと連続で負けることもザラにあり、最初に5連敗し-50pips負けたとしてもそのあと3連勝すれば10pipsの勝ちになります。

小さく負けて、長い時間相場に残れるように先人たちが教えてくれた方法が「損切り」なのです。

損切りはそもそもできないもの

損切りは誰しもが嫌な行為なので進んでしようとはしません。

理由はDNAに損失は回避するように組み込まれているからです。

トレードをすると分かるのですが、損失認めたくないために損切できない経験が誰しもあると思います。

逆に利益は少し乗っただけで利確してしまうことがありますよね。

これが人間の欲望というか、本能で損失は認めにくく利益はすぐに欲しいという行動をとるようになっているのです(プロスペクト理論)

では損切りできない場合はどう対応すべきかは下記の通り。

ストップ注文(逆指値)で強制的に損切させる

ストップ注文で自動で損切させます。

感情が入ると損失を先延ばしするため、エントリーした瞬間に任意の値で強制的に損切されるようにします。

もうすでにストップ注文は使っているという方は読み飛ばしてください。ここからはDMMFXを使った具体的な発注方法の説明になります。

ホーム画面、又はメニューバーより[トレード]をタップすると、トレード画面が表示されます

損切り説明画像

トレード画面より[ポジション照会]をタップすると、保有しているポジションの一覧が表示されます。
決済するポジションをタップすると、決済注文選択画面が表示されます。

損切り説明画像2

決済注文選択画面より[決済注文画面]をタップすると、決済注文画面が表示されます。

損切り説明画像3

注文タイプ[指値・逆指値]を選択します。
注文内容を設定し、[確認画面]をタップすると、注文確認画面が表示されます。

大事なのは②の執行条件[指値][逆指値]です。 この場合は買いポジションに対し売りでストップを置きたいので逆指値注文になります。写真の説明は指値=利確の注文となっています。

指値注文は、現在レートより有利な注文レートを指定して発注する注文方法です。
逆指値注文は、現在レートより不利な注文レートを指定して発注する注文方法です。

損切り説明画像4

注文内容を確認し、[注文]をタップすると、注文が発注されます。
注文が完了すると注文照会が表示されます。
[キャンセル]をタップすると、決済指値・逆指値注文画面に戻ります。

損切り説明画像5

トレードをしたことない方は少し難しく感じるかもですが、最低限トレードするには必要なスキルなので何度も練習して正しい発注方法は身につけましょう。

ここで紹介したDMM FXはチャートも見やすくポジション管理もしやすいのでおすすめです。

損切り貧乏に対応するには

損切り貧乏に対応するには次の2点が重要です。

  • エントリーポイントをずらす
  • 損切り幅を広げる

理由はエントリー時に不利だとすぐに損切になります。

そして当たり前ですが、損切り幅が極端に狭いと損切にかかりすぎて損切貧乏になるということです。

エントリーポイントをずらす

例えば下図のようにブレイクアウトを使ったショートエントリーをしようとします。

損切りポイント説明


1回目ブレイクアウトを見てから、すぐに追っかけトレードした場合(赤丸)

ブレイクアウトを使った手法ではよく赤丸でのトレードが推奨されます。この場合、損切りポイントはブレイク前の高値よりすこし上、赤字で損切りポイントと書いてあるところに置く必要があります。

2回目の押し目を待ってエントリした場合(黄丸)

押し目を待ったことにより損切りポイントはグッと下になりエントリーポイントのすぐ上、黄字の損切りポイントに置けばいいでしょう。

押し目を待って少しでも有利な位置でエントリーした場合は、損切り幅が小さく済むので損切り貧乏になりにくくなります。

損切り幅を広げる

最初にトレードスタイル別に損切り幅について説明しましたが、決まった損切幅ではうまく対応できないときもあります。

その損切り幅は教科書通りの幅で多くの人が意識しているラインのため大口の投資家(プロ)が我々のことを狩ろうとしてダマしを作るからです。

あまりに損切り後に相場が反転して損切り貧乏になる場合は、損切り幅を少し広めてみると、違った結果が見えてきます。

損切しないという選択肢

損切り幅を広げても損切り貧乏になる人は損切しない選択肢もあり。極論を言えば損切りしない限り損にはなりません。

いやいや、さっきも言ってた通り1度の負けで損失が広がって退場する危険性は?と思うかもですがロットをかなり落として資金管理を適切にやれば問題ありません。

とはいえ、まだ皆さんは損切りが大切と思い込んでいませんか?
いまやネットで調べても投資の教科書を読んでも、これほどまで損切りを推奨してますからね。

でも実は損切りしない人気の商品が世の中にはあるんです!

損切しない代表的な商品

それはマネースクウェアのトラリピです。自動売買で損切の概念がありません。

トラリピとは: トラリピ とは指定した価格幅に「買い」「売り」の注文を仕掛けることで、自動で取引してくれるFXツール

https://www.m2j.co.jp/fx-toraripi

FXを少し経験した方なら聞いたことがあると思います。

2007年頃からリピート系の簡単システムトレードということで当時から人気を博しました。

しかし損切りしないということでリーマンショック時は、適切な資金管理をできていない多くの人たちが相場を退場していきました。

それでも、人気の商品なので裁量では損切りが大切と思っていても、自動売買になると儲かる仕組みにフォーカスしているため損切り部分がおろそかになっているのかもしれませんね。

損切りしないと決めるのはあり。でも損失先送りの損切りしないはダメ

これまで下記の主張をしてきました。

  • 損切りは必要
  • 損切りしないのもあり

ここで気になるのは、このブログを書いているあなたはどうなの?ということではないでしょうか。

私は2019年10月から11月までの2か月間。損切をあえてしないでコツコツ勝ってきました。

30勝以上、たった2敗。利益も約500pipsと過去最高益を出し、本当に損切は不要かもと考えていました。

しかし12月に入るとまったく勝てずに塩漬けが増えていきました。そうなるとやはり損切は必要かもと最近は思い始めています。

損切りしたほうがいいかもと思える理由は2つ。

  • 資金効率が悪い
  • 環境認識がうまくできなくなる

それぞれ深堀して説明します。

資金効率が悪い

塩漬けになると、その資金は当たり前ですが、エントリーに使うことはできません。

その点、損切りすれば新しいポジションを持つことができるので、チャンスを逃しません。

環境認識が上手くできなくなる

資金がたっぷりあれば上の資金効率の件は問題になりません。

環境認識がうまくできなるというのは1つのポジションを持っていると、その方向にしかエントリーできなくなってしまうということです。

例としては、最初にロングエントリーして含み損になったとすると自分の予想とは反対なので、トレンドはすでにショート側に発生しています。

でも自分がロングでポジションを持っているため、どうしても次のエントリーもロング方向でのみ偏って見てしまい、そのポジションを救済したいと考えてしまいます。

この場合、最初のロングを持ったままショートトレンドを認識し、そのまま素直にショートを持ち、両建てということもできるのになぜか最初のポジションに意識が引っ張られうまくトレードができなくなる現象がでました。

つまり最初のポジションを気にするため逆方向に動いているチャンスを逃す行動をとってしまうのです。

結局、最終的な結論は「最初の目線をずらさない」ということが大切かと。

例えばスキャルなら損切りを確実に入れる。デイトレードなら様子をみながら損切を入れるなど。

悪い例はスキャルで入り含み損になったが、認めたくなくてルールを破り決済せずにデイトレードに切り替えることはやってはいけません。

私もデイトレードで入っているものが、損切りできていないのでこれからはしっかり損切りを利用してコツコツ負けていこうと思います。

トレーダーは勝つことにとらわれがちですが、上手に負けることも実は大切なことです。

柔道なら最初は受け身から習いますからね。それとトレードも同じで迫りくる脅威からどうやって身を守るか。

それをしっかりとできるようになれば負けにくくなり、すこしずつ勝つことができるようになるということです。