全自動で投資ができるウェルスナビ(WealthNavi)が人気急上昇中です。
その人気にともない世間ではウェルスナビの手数料が1%で高すぎるという議論が最近活発に交わされています。
果たして本当にウェルスナビの手数料1%が高いのか、投資経験10年の運営者が類似のロボアドバイザー、海外のロボアドバイザー、ほかの金融商品購入時の手数料と比較して検証しました。
ロボアドバイザーウェルスナビの手数料1%は本当に高いのか?が話題になっています。
— スマート伊藤@10万円☓10個の投資先で運用するよ (@_smart_ito) 2019年7月7日
調べてみると
・類似サービステオよりはお得
・海外ロボアドより高い
・個別に商品を選んで買うより高い
結論は商品を選ぶ必要がなく自動でポートフォリオを組んでくれるので手間を考慮すれば決して高くない!
上記のツイート通り結論はこんな感じ。
- ウェルスナビと類似サービステオを比較するウェルスナビはお得
- 海外ロボアドと比較するとウェルスナビの手数料は高い
- 個別に商品を選んで買うのと比較するとウェルスナビの手数料は高い
しかしながら結論としては商品を選ぶ必要がなく自動でポートフォリオを組んでくれるので手間を考慮すれば決して高くない!
ウェルスナビの始め方やメリットデメリットが知りたい方はこちらからどうぞ。
それでは結論の詳細を解説していきます。
ウェルスナビの手数料はどのくらい?
手数料は預かり資産の1%(現金部分を除く、年率・税別)となっています。
その他の売買手数料、為替手数料、為替スプレッド、リバランスはすべて無料で利用できます。
※預かり資産が3000万円を超える部分は0.5%ですが、多くの人が3000万未満の資金運用なので今回は「1%が手数料」として高いのかについてフォーカスします。
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ここまではウェルスナビに興味があってググったことがあればだれでも知っている情報です。
実はウェルスナビではさらに手数料がかかっているのですが、これは案外知らない人が多いです。
信託報酬なるものを1%の手数料と別に負担している
それはETF購入経費(信託報酬)になります。
WealthNaviでは、ETF(上場投資信託)を通じて、国際分散投資を行っています。ETFの運用会社は、ETFの適切な維持・管理を行うための経費をETFの中で控除しており、お客様はこれを間接的に負担していることになります。
ウェルスナビ
ETFがわからないかもですが、今回は手数料についての記事なのでETFという商品の名前とだけ理解しておけば問題なしです。
その信託報酬は下記のようにリスク許容度で違ってきてきます。
- リスク許容度1:0.14%
- リスク許容度2:0.11%
- リスク許容度3:0.10%
- リスク許容度4:0.11%
- リスク許容度5:0.11%
リスク許容度1が0.14%と信託報酬手数料が高いのでETFの割合が高く、リスク許容度5が0.11%の信託報酬手数料なのでリスク許容度1と比較するとETFの割合が低いためこのような負担になっていると推測できます。
リスク許容度1はリスクをあまりとらない運用なのに一番手数料がかかってしまうのは、なんだかもったいない気がしますが、その差は0.03%なので気にする必要はあまりなしです。
具体的な計算例として、100万円を運用した場合の0.03%の手数料差は300円、10万円なら30円なのでこのくらいなら許容できるかと。
長期割というウェルスナビの手数料を安くするプログラムがある
ウェルスナビには長期割というウェルスナビの手数料を安くするプログラムがあります。
この画像のように運用期間によって割引されていく仕組みです。

- 運用金額が50万円以上で6か月ごと0.01%ずつ、最大0.90%まで手数料を割引。つまり運用5年目からは0.9%となる
- 運用金額が200万円以上で6か月ごと0.02%ずつ、最大0.90%まで手数料を割引。つまり運用2.5年目からは0.9%となる
途中で出金すると長期割が終了してしまうので注意しましょう。ウェルスナビの資産運用は長期運用が基本です。
ここまでのウェルスナビの手数料についてまとめ
ここまでのウェルスナビの手数料について3つのポイントにまとめました。
- 手数料は基本1%
- 手数料以外に信託報酬が間接的に最大0.14%負担している
- 売買手数料、為替手数料、為替スプレッド、リバランスは無料
この点を理解したうえで他社の類似商品と手数料を比較してみましょう。
ウェルスナビじゃない類似商品の手数料比較
ウェルスナビと同じロボアドバイザーで有名なのはTHEO(テオ)です。
次はテオの手数料とウェルスナビの手数料を比較していきます。
投資一任契約に関する投資一任運用報酬は、預かり資産の円貨換算時価残高に対して最大1.08%(税込・年率)を乗じた金額となります。組入ETFの売買手数料及び取引所手数料並びに為替手数料等の費用は、当社が負担いたします
テオ
テオの手数料は上記の通り、ウェルスナビとおなじ1%+税率です。
ウェルスナビとテオはライバル関係にあるため手数料に差が出てしまうことは直接的なダメージになるので手数料は同額の1%になっています。
テオにもあった手数料割引サービス
それではウェルスナビにあった長期割のような割引サービスはテオにはあるのか見てみましょう。
それは預かり資産に応じて割引を受けられるサービス「THEO Color Palette」があります。

ウェルスナビとテオの手数料を比較すると
- どちらも手数料は1%で変わらない
- ウェルスナビは運用期間によって最大0.1%割引く「長期割」がある
- テオは運用資産額によって最大0.35%割引く「THEO Color Palette」がある
ウェルスナビは運用期間による手数料割引サービスでしたが、テオは運用期間ではなく運用資産額にる割引サービスとなっています。
例えば100万円以上の運用を5年以上続けた場合の手数料を比較してみます。
- ウェルスナビの手数料:1.0ー0.1=0.9%
- テオの手数料 :1.0ー0.3=0.7%
こうしてみるとウェルスナビのほうがテオに比べ手数料が0.2%高くなっています。
またウェルスナビはETF購入経費(信託報酬)を最大で0.14%負担しているため実質の両社の差は0.34%ウェルスナビのほうが手数料が高い結果となりました。
ウェルスナビとテオの運用実績
手数料を比較するうえで大事なのは手数料そのものよりも運用実績が大切です。
それは手数料が高くても、それに見合う利益が出ていれば最終的な利益が増え利用者にとってはメリットとなるからです。
大切なのは運用実績のため両社の運用実績もみてみましょう。
1992年1月から2017年1月までの過去25年の期間で、WealthNaviの推奨ポートフォリオを用いて資産運用のシミュレーションを行うと、資産は2.4倍に成長し、1年あたりのリターンは6.0%という結果となりました。
Weathnavi
過去25年で平均6.0%の運用実績とはかなり優秀です。これがウェルスナビの人気理由の一つですね。
次にテオを調べてみると公式サイトにはズバッっと運用実績が書いていませんでした。
私が見た資料はこん感じ。

見方が正直あまりよくわかりませんが、縦軸が年率のリターンなので平均したら4%~5%くらいですかね。
仮に5.0%だとして、ウェルスナビが6.0%の利益率で手数料を考慮した実際の投資結果は0.34%ウェルスナビがテオに比べ手数料が高かったですが、利益は1.0%ウェルスナビが高いのでトータルのパフォーマンスを比較すると0.66%ウェルスナビのほうがお得ということになります。
ウェルスナビが結果的にはお得
海外のロボアドバイザーの手数料を比較
つぎに国内ではなく海外のロボアドバイザーと比較していきます。
海外サイトnerdwalletでロボアドバイザーを比較した結果では手数料0%~0.25%といったものが多いです。

上記は海外のロボアドバイザー手数料の一例です。FEES(手数料) が0%となっています。手数料0円はどこで利益を上げているかもはや謎ですが、手数料無料だからこそ評価が一番高いのでしょう。
海外と比較すると日本のウェルスナビの手数料1%が鬼高いような気がしますが、英語でのやり取りの敷居の高さを考慮すると1%くらいは仕方なしですね。
ロボアドバイザーが人気になり投資する人が増え運用資産が増えれば次第に手数料も安くなるはずなので今後期待しつつ現状は待ちましょう。
ウェルスナビの手数料をほかの投資信託の手数料と比較
SBI証券の投資信託の売買手数料をとウェルスナビの手数料を比較してみましょう。
SBI証券のホームページには投資信託の手数料が書いてあります。
申込手数料(基準価額に対して、最大4.0%(税込4.32%))
信託報酬(純資産総額に対して、最大年率3.1%(税込3.348%))
これは「最大」手数料なので実質の手数料は人気商品の場合、申し込み手数料は無料、信託報酬はだいたい0.1%~0.2%くらいになります。
投資信託の手数料だけを比較すると自分で買い付けをしたほうが手数料は圧倒的に安くなります。
しかしながらウェルスナビは
- 初心者に優しくスマホで簡単に始められる。
- リバランスを自動で行う(ポートフォリオの組み直し)
- 商品を選ぶ必要がない
- 一度設定すれば基本放置
- 過去の実績が優秀
- AI化されているのでその都度最適化される

これだけたくさんのメリットがあるので手数料1%は高いとは言えないでしょう。
ウェルスナビの1%は決して高くない
自分で利回りの良い個別の商品を探して購入し、ポートフォリオを組むことができる人にとっては手数料は1%は高いというのは間違いありません。
同じ商品を買えば手数料は1/4程度で済みますからね。
でもそもそもウェルスナビは投資初心者の人が圧倒的に多いはずなんです。
初期投資100万円で毎月3万円積み立てて30年間運用すれば元本1,180万円が2,443万円まで増えちゃうの!?
えっ、それも簡単にすべてお任せで!
これはやるしかないでしょ!
年金なんてあてにならないし。
とかのノリで始めるんですよね。
なのでそういった投資初心者にとっては、かなりのお手軽さがあるので手数料1%は決して高くはありません。
資産配分の決定や商品の選定を調べるうちに
「投資なんだか面倒・・」
とならずにウェルスナビなら余計なことを悩まずにサクッと始められますからね。
だから私も悩まずにサクッとウェルスナビをはじめます。
手数料の悩みが消えたあなたも一緒にウェルスナビで積み立て投資どうですか?
